-
なかやま病院はどんなところ?
道内唯一の肛門科単科病院です。治療も看護も痔の治療一筋です。入浴も治療の一環なので毎日風呂に入ってもらっています。
痛みの少ない治療と看護を目標にしていて、麻酔法、硬膜外ブロックなど診療に工夫しています。(切らないで治してくれる病院と誤解されているので困惑しています)
非常勤ですが、定期的に女医さんに診療応援をしてもらっています。
-
診察の様子をおしえて?
はじめての患者さんには、まず問診表に自分の症状や、来院の目的などを書いてもらいます。診察室に呼ばれたら、まずこの問診表に沿ってお話を聞きます。このときは家族の同伴もかまいません。
診察ですが、(家族の方は待合で待っていただきます)ベッドに身体の左を下にして横になってもらい、ズボンと下着を下げてもらいます。肌の露出をさけるために、小さな穴の開いた布を上からかけて診察します。
診察は1名の看護師の補助で1名の医師が行い、カーテンで仕切ってほかのスタッフからも見えないようにしています。
生活指導、便秘のケア、薬の使用法の説明等は別室で個別にします。
診察の流れはこちら
-
痔核を治療せずに放置すると?
出血する方は貧血になることがあります。
嵌頓(かんとん)とは痔核が脱出して戻らなくなり腫れることをいいますが、つらくて仕事ばかりでなく、日常生活にも支障をきたします。
-
痔にも重症度があるの?
肛門の奥におさまって脱出しない段階・・・Ⅰ度
排便時に脱出するが自然に収まる・・・Ⅱ度
排便時に脱出して、指で押し込まないと元に戻らない・・・Ⅲ度
指で押しても入らず、出っ放しの状態・・・Ⅳ度ほかに急性期の嵌頓(かんとん)状態があります。
血栓性外痔核といって、急に肛門のふちが腫れる病気もあります。重症ではないが、括約筋が痙攣すると激痛・・・とっても痛い!
緊急を要する患者さんは平均すると1日に1名程度です。肛門周囲膿瘍・脱嵌頓肛・とても痛い外痔核などで、手術や外科的処置をしています。止血の必要な出血の患者さんは稀です。
-
具体的な治療法は?治療は痛い?
疾患によって治療法はことなりますが、脱肛に限っては、Ⅰ度・Ⅱ度の患者さんは便通を整え、刺激物・アルコールをひかえて軟膏療法でかなり改善します。便秘の解消法も指導し、便秘解消の料理メニューもお渡ししています。
出血がひどいときは、パオスクレーによる硬化療法が効果があります。最近は脳梗塞や心筋梗塞の予防薬の服用で、なかなか出血がおさまらない方も増えていますが、主治医と相談して対応しています。
Ⅲ度・Ⅳ度の方も保存的治療で出血や痛みはかなり改善できますが、脱出は治らないので、やはり手術が望ましいと思います。10日間の入院期間がとれない方は、手術より再発率が高くなりますが、新薬による硬化療法を考えてもいいと思います。2,3日の入院ですみます。痛みはほとんどありません。
脱嵌頓肛は入院安静、冷あん療法で腫れをとってから手術になります。
痛みのある血栓性外痔核は、血栓(血の塊)を麻酔下に摘出すると翌日には普通の生活ができます。日帰り手術でOK。
-
一度切るともう痔にならない?
肛門は、毎日便の通るところなので、いろいろな要因が加われば、また悪くなることはありえます。下痢・便秘・アルコールなど痔に悪いことが重なると再発することは考えられます。手術後もおしりのケアがとても大事です。
毎朝顔を洗い、歯を磨く人でも、おしりのケアに無頓着な人は以外に多いですね。
便秘や下痢などの排便異常・アルコールの摂りすぎ・激辛食品・妊娠・出産のほかに、一日中立っていたり、すわりっぱなしの生活習慣は、常に肛門部のうっけつをきたします。
最近の若い人は、入浴しないでシャワーのみの人も多いようですが、清潔にしたり、血行をよくする(うっけつをとる)のはお風呂が一番です。
-
痔の手術をするとおしりの締まりが悪くなる?
昔の痔の手術法で、ホワイトヘッド手術といって、肛門と周囲の正常な粘膜をすべて切り取る方法がありました。この手術を受けた人の話だと思います。
今は、痔核のみの手術、ケッサツのみ、硬化療法の併用などで入院期間も短く、肛門の機能が損なわれるようなことはありません。
-
ジオンによる硬化療法は再発が心配?
当院では今までに239人の方にジオンによる治療をしていますが、33人の方が再発しています。13.8%です。施設によっても差があるようです。
ジオンによる硬化療法はこちら
-
おしりからの出血は痔核?それとも大腸がん?
硬い便をしたときに、痛みを伴って血が出るのは切れ痔でしょう。
痛みを伴わないで、ぽたぽた便器に落ちたり、走り出るような出血は内痔核の出血です。
便に血がまざったり、便通の不調を伴い、いつまでも出血が続く場合はがんの心配があります。ただ潰瘍性大腸炎・限局性腸炎や憩室からの出血など良性の病気もありますので、むやみに心配せず、早めに内視鏡の検査を受ける必要があります。